地域密着型で時代を先取りする不動産事業者「コンダクト」
コンダクトは福岡県・北九州市を地盤にした不動産事業者だ。従来のビジネスモデルに固執せず、顧客のニーズをいち早く見つけて事業に落とし込むマーケッティング重視の営業スタイルで成長を続けてきた。2007年11月期の売上高は77億円、経常利益は7億円にのぼる。売上のうち70億円が不動産の売買に伴う収入。残り7億円が賃貸収入だ。13期連続で増収を続ける。
コンダクトは和田克之社長が25歳の時に興した会社だ。元々、起業志向が強かった和田社長は、学校卒業後、経営の勉強を兼ねて1年半ほど証券会社に勤めた。その後、北九州市内の小さな不動産屋に1年間ほど勤め、不動産のノウハウを吸収して、有限会社コンダクトを設立する。創業から今年で15年目に入る。不動産業を始めた理由について和田社長は「金も人脈もない人間が始められる商売を考えた結果、不動産に行き着いた」と笑う。北九州市内の自宅マンションの一室を事務所にして不動産仲介事業をスタートした。「成功する確率は1000分の1だと言われたが、これしかないと決断した」(同)。
■「目標は小倉駅周辺で一番になること」
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| 和田克之コンダクト社長 |
和田社長は事業を展開するに当たって作戦を立てた。看板を掲げた北九州市内にはすでに不動産屋が無数に営業をしていた。業界の事を知らない若造が1人で参入し、正面切って商売をしたところで勝ち目はない。そこで立てた戦略が小倉駅周辺で一番になること。「小倉駅周辺に事業を特化すれば一人でも勝算はある」(和田社長)と判断、エリアを絞って徹底的な営業活動を開始した。日中は電話番を雇って、お客から問い合わせがあればすぐさま応対した。そして仕事が終わると、毎晩手作りのチラシ作りに熱心に取り組んだ。30万円で購入した中古の印刷機で毎晩1000枚、2000枚とチラシを印刷し、印刷が終わると夜中に一人でチラシを撒いた歩いた。チラシ配りは3年ほど続けた。和田社長は「自分で歩いて配れば自然と地理にも詳しくなった」と話す。この作戦は成功した。例えば夜の歓楽街の飲み屋に一軒、一軒配ると、「店の女の子が暇だからチラシを見てくれる」(同)。自然と知名度は上がった。
もう1つ和田社長が採った作戦は徹底した顧客提案型の営業だった。それまで町の不動産屋と言えば、「待ちの商売」と相場が決まっていた。店先のショーウィンドウに物件を飾って、お客が訪ねて来て初めて商売が始めるというビジネスモデルだ。和田社長は参入当初からこの慣習に違和感を持っていた。ビジネスモデルとして何も付加価値がない事に着目、和田社長は頼まれてもいないのに知り合いの客に、その客に合った物件情報を積極的に提供した。例えば商店街に空き家が出るという情報を掴んだら、「自分なりにどんな店が入居すれば儲かるか考える。そしてその考えに見合う顧客に提案していった」(和田社長)。従来の町の不動産屋とは明らかに違う姿勢に、次第に情報がコンダクトに集まり始める。和田社長は「小倉駅周辺で一番になる」と決めて以来、「一軒でも他社に物件の契約を取られたらクソッと思った」と振り返る。
■「アイデアで勝負する」
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コンダクトが手がけた代表物件
コンダクト石城町ビル |
和田社長は業績を伸ばすため、さらにはさまざまなチャレンジを繰り返す。大学生協と契約して、「手数料を渡すから学生を紹介して欲しい」というビジネスを考案した。アイデアは見事に当たった。入学シーズンになると、次から次へと紹介案件が入った。「あの企画はヒットした」と和田社長は胸を張る。また14年前、北九州で初めてウィークリーマンション事業を手掛けたのもコンダクトだ。当時、地元では誰もウィークリーマンションの存在を知らなかった。「ウィークリーマンションって何ですか」からの質問に始って、顧客探し、物件探し、日用品の設置まですべてが手探り、手作りだった。日中に契約が決まると夜中に荷物を運び込んだ。ベット、テレビ、炬燵、鍋やかんなど生活に必要な家財道具一式を夕方ホームセンターで購入し、軽トラックの荷台に載せて運び込んだ。「他社が手掛けていない事をするのが我が社の方針。他社がマネをしたら、パッと止めて次の事をする」と和田社長は言う。
コンダクトが日本SME格付けを取得したきっかけは、たまたま新聞に掲載された小さな紹介記事を見つけたことだ。「会社の信用度を50万円でPRできるなら安い」(和田社長)と考え、早速、取り引きのあった広島銀行に取得を申し入れた。結果はシングルaだった。福岡県内では初めての取得企業で、国内の不動産事業者としても初めての取得となった。「不動産業界は悪いイメージがある。格付はその払拭に利用できる。何でも一番が好きだ」(同)と話す。
和田社長が大切にしている言葉にヒューマンコミュニケーションがある。「不動産業界はヒューマンコミュニケーションが大切。自分が目の届く範囲で事業をしなければ必ず失敗する」と言い切る。同社には営業マンは一人もいない。営業するのは和田社長だけだ。物件を購入する際も部下任せにせず、必ず自分も視察する。「ウチは不動産1本で無理せずに事業を行ってきた。本業以外に手を出すとダメだ。地元を大切にし、時代のニーズを常に先取りしてきたことが今につながった」(和田社長)と話す。これからの展開が期待されるところだ。
| 会社名 |
コンダクト株式会社 |
| 代表者 |
和田 克之 |
| 業種 |
不動産事業 |
| 創業 |
1994年 |
| 所在地 |
北九州市小倉北区浅野2−17−38 |
| 電話 |
093−513−3338 |
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