今とある団体主催の展示会に関わっていますが、その話の中で今回は海外からの企業にも積極的に出展をしてもらおうという話になりました。
するとある人が、「昨年のその展示会でも海外の企業が出展してくれたけど、展示の仕方がとても簡易でチラシを机に貼っただけのブースだってあったよね」と言うのです。
確かに、その人がなにを言わんとしているかわかりますね。日本企業のブースの最近の傾向は、見せ方にかなり工夫をこらしているのに対して、海外の企業のブースはどこかさみしく賑わいが感じられないところもあります。
しかし、それは彼らの努力不足とだけには言えないように思えるきっかけが、日本の企業のAさんが海外の展示会に参加するときの苦労話を聞いたことです。
Aさんは、イタリアにあるミラノサローネという大きな展示会に参加したのですが、日本の政府機関からは展示会にかかる費用の助成金を受けましたが、一週間分の滞在するホテル代、什器備品運送代、通訳人件費などの合計が膨らみ、助成金があっても微々たるもので、もちろんそれでもあるに越したことがないが日本の展示会に出展するときのようにはいかないと言っていました。
そうなると、ホテル代は観光客が寝泊まりするようなところではなく、ビジネスホテルにして費用削減、通訳はプロの専門分野の人を雇いたくても高額なので日本から身内や知人で片言話せる人を連れていったり、翻訳機を巧みに使い社長自らで通訳に挑んだりしてこれもまた費用削減、すると什器備品はサイズによってですがかなり費用がかかるので、機内に持ち込めるサイズのバナーやちらし、もしくは預けられる荷物のサイズに合わせたものくらいしか用意できなくなります。つまり、いかに簡易であるけどもインパクトあるしっかりとした展示会にするかー、これがとても難しくなります。
きっとAさんのように、海外の企業が日本の展示会に出展する上で同じような問題を抱えることになると考えられます。机にチラシを貼っただけのような超簡易な展示になる原因が納得できます。
たとえば、海外の企業を展示会に招待するならば、家具付きアパートのように、展示什器備品がすでに展示ブースに整備され、あとは展示品を持ってさえくればすぐに立派に展示ができるような(家具付きアパートならすぐに生活ができるイメージ)状態までも展示スペースを用意すると、もっと展示会に参加しやすくなることでしょう。
もし日本の政府機関も海外出展を目指す日本の企業に対して、助成金の支援もいいですが展示会の什器備品の貸出に協力するなりすると、より海外の企業も日本の展示会に参加しやすくなることとおもいます。
あとがきByノトサチ
本年も宜しくお願いします。今回も最後までお読みいただきましてありがとうございます。展示会の見せ方や仕方についてアドバイスやセミナーを開催させていただくこともしばしばありますが、結局は枝葉の部分の話しとなり、理想とはかけ離れた展示になるには、いろいろと金銭的、人的な問題が根底にあるからだと私はさまざまな方の相談を受けて感じるところです。例えば今回お話したAさんからの相談で、海外の展示会に出展する際に、コストを抑えながらもインパクトのある見せ方はないかというようなこともありました。展示会は費用が単純に什器にかけるだけでなく、行く人の宿泊費から食費とこと細かくお金がかかるので、最終的に費用をかけない展示の仕方ということになり、展示で勝負をかけるはずが、反対になんのためにいくのやらなんてことになりかねません。これこそ行政の差し伸べられる支援の一つだと私は思うのです。
株式会社サチコーポレーション 取締役
和歌山市生まれ。Kansas City Art Institute工業デザイン科BFA学士修了。現代経営論プログラム終了。帰国後、国・県・地方自治団体のデザイン経営専門家として創業における事業の見せ方についてアドバイスする。またその約1,500件の事例を全国各地でセミナー・講演活動している。
また、現在は工業デザイナーとして水素燃料電池からファッションアクセサリーまで幅広くデザインする日々を送っている。
www.sachicorp.com (サチコーポレーション)









