超微細手術の世界を拓くパイオニア
1949年の創業以来、当社は微細な製品づくりを手掛けてきました。その微細加工技術を生かし、1964年に医療分野に進出。整形・形成・脳神経外科で使用される微細手術(マイクロサージャリー)用の縫合針・糸を世に送り出し、それまで不可能とされてきた数々の微細外科手術を成功に導きました。たとえば指先切断などのアクシデントで避けて通れない血管縫合手術。顕微鏡下での手術となりますが、再接着させるには高度な医療技術とともに微細な針と糸が欠かせません。そして世界最細の針製造技術を持つ当社「クラウンジュン」製品が、今日もさまざまな医療現場で活躍しています。今後も「クラウンジュン」を通じて、マイクロサージャリーの可能性を広げてまいります。
多品種少量生産へのこだわり
当社のモノづくりに貫かれているのは、徹底した多品種少量生産へのこだわりです。汎用品を大量生産して低価格で提供する事業形態もありますが、当社は量的ニーズがなくても他社にまねできない高付加価値領域を中心に、医療現場のお役に立てる数々の商品を開発、提供してきました。なかでも設計、製造、販売サービスにいたる工程を一貫し、素材となる材料の切り出しから、加工、仕上げ、検査まで、すべて自社完結しているのが特徴です。最先端の形成外科手術に携わるドクターの要望にお応えするかたちで、さまざまな形状や太さの針を設計開発し、現在の販売点数はおよそ1万点を数えます。マイクロサージャリー分野に特化したオンリーワン戦略で、これからも医療現場の未来を拓き続けます。
貫かれるモノづくりの遺伝子
もともと微細加工からスタートしたため、河野製作所にはモノづくりの遺伝子が宿っています。このため製造の外部委託を一切行わず、すべてを社内生産する事業体制を採りつづけてきました。これを可能にしているのが、強力な技術開発部門の存在です。ミクロン単位の医療針を製造するための機械設備は、当然のことながら世の中には存在しません。針穴を開ける加工機をはじめ、自社開発設備が製造工程の随所にみられます。このため一般の金属加工業と同等のNC工作機械を導入し、必要な加工機を設計製造する態勢を整えているのです。そして大切なのが、いま何が求められているかを適切に見極める姿勢です。販売委託会社のクラウンジュン・コウノを筆頭に、顧客である大学病院や医療現場をこまめに巡回し、アフターサービスはもちろんのこと、最新のニーズ把握に努めています。将来的には、現行の医療分野にとどまらず、当社のモノづくり技術を一般の産業分野にも活かしていく考えです。
おもな取り扱い製品
・マイクロサージャリー関連製品
・ポリビニリデンフルオライド縫合糸
・ナイロン縫合糸
・吸収性ブレイド縫合糸
・縫合針
・津下式ループ針
・鋼製小物
取材記事
他社にはない技術優位を確保すればチャンスは開ける
―超微細な医療用縫合針・糸で国内有数の技術品質をお持ちだそうですが
「世界最細の直径30マイクロメートルの縫合針をはじめ、心臓バイパス手術や脳外科手術などに用いられる多品種少量の針・糸を製造販売しています。特にマイクロ・サージャリー(顕微鏡を使って細やかな操作をする手術)分野の草分けとして、最近では指先の血管縫合手術などの医療現場でもお役に立っています」
―医療用の針にも品質の善し悪しがあるのですか
「刃物と同じです。セラミック製の安い包丁もあれば、それこそ職人が使う手作りの高級包丁もある。作り方も違えば、切れ味も異なります。手術用の針も、一般的な外科手術であれば大量生産による汎用品で足りますが、生命に関わる部位の細やかな手術となると、表面のコーティングから弾性や剛性、切れ味などあらゆる面で質の高い針が求められます。当社の強みは、そうした付加価値の高い針を医師のさまざまな要求に応じて開発できるところにあります」
―セラミック包丁のような一般的な医療針は製造しないのですか
「世界的に有名な米ジョンソン&ジョンソンが君臨していることもあり、大量生産品では資金力やブランド力に乏しい中小企業の活路は拓けません。いずれは低価格競争にはまってしまい、国内で事業を営むことは困難になります。実際にかつて国内に存在した医療用針メーカーの多くが廃業しています。たとえニッチの市場でも、他社に負けない一定の技術優位を確保できればビジネスチャンスは開けます」
―そのために必要なことは何ですか
「いかに良いモノを作るかに尽きるでしょう。いま原材料費のアップが世界的な課題となっていますが、社内では高い材料を使えと言っています。品質が低下したら元も子もない。良い製品づくりのためのコストアップならば仕方がないと考えます。そして正当な対価をお客さまからいただく。安い製品をお求めならば、他社製品を使ってもらって結構ですというスタンスです。価格競争をしたらおしまいです」 「もう一つは先を見越した研究開発です。当社は設計から線材調達、製造販売まで、自社における一貫態勢を貫いてきました。これからも他社にはない高品質の製品を提供できるよう、先行投資的な開発を強化していくつもりです。」
―ところで海外市場開拓に本腰を入れるそうですね
「現在医療用針・糸の市場は国内では約200億円。海外を含めると2500億円になると言われています。当社の売上げ規模は約10億円。国内でもまだまだ拡大の余地がありますが、中国・アジアや欧米市場で当社の製品がお役に立てるのではないかと感じています。このためまず中国に販売会社を開設したところです」
- 会社名
- 株式会社河野製作所
- 代表者名
- 河野 淳一
- 所在地
- 〒272-0832 千葉県市川市曽谷2-11-10
- 電話
- 047-372-3281
- FAX
- 047-373-4515
- 従業員数
- 資本金
- URL
- http://www.crownjun.com/









