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豊富な調査実績と多彩な原位置 浄化技術で一層の飛躍を図る[オルガノ株式会社/環境テクノ株式会社] 

機械

 平成3年に、土壌の汚染に係る環境基準が設定されて以降、土壌・地下水汚染調査実施数が増えたことを受けて、有機塩素化合物、油、重金属の環境基準値超過事例判明数が急激に増加し、大きな社会問題となっている。
 特に、汚染原因物質として報告例が多いトリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)等の揮発性有機塩素化合物(VOCs)は、発癌性が疑われている物質であり、社会的に大きな関心を集めている。
 VOCsに汚染された土壌・地下水の浄化法としては真空吸引法と揚水曝気処理法が一般的であるが、浄化完了までに要する時間が長いこと、汚染物質の分解手段ではないことが問題視されている。また、近年の土地取引の活発化、および平成14年5月29日に公布された土壌汚染対策法の影響を受けて、短期間で浄化を終了することが強く望まれている。

累計3000件以上の実績誇る

 超純水・純水製造や排水処理など水処理業界をリードしているオルガノだけに、当初は地下水汚染対策からスタートしたが、地下水と共存し密接な関連がある土壌にも適用分野を拡大している。これまでに汚染土壌・地下水の調査および浄化作業で累計3000件以上の実績を誇る。
 これまでに開発・導入した技術は
 ① 熱脱離/GC法による高感度土壌ガス調査法(商品名モビラボ法)
 ② 地下水曝気装置(同アクアストリーム)
 ③ トレイ式曝気装置(同シャロートレイ)
 ④ 繊維活性炭式排ガス処理装置(同ファインエース)
 ⑤ 触媒燃焼式排ガス処理装置(同キャタエース)
 ⑥ 土壌触媒酸化処理
 ⑦ 地下水原位置化学酸化処理
 ⑧ バイオレメディエーション
などがある。
 いずれも高効率・低コストを追求した技術であるが、以下に主要な技術について特徴を紹介する。
 モビラボ法は、環境省の「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」の中で高感度法として分類される手法である。本法ではその名の通り、分析機器を搭載した車両が現地に赴き、土壌ガスの採取を行う現場で分析を行う。土壌ガス中のVOCsを吸着管に濃縮採取することにより、高感度の調査分析を可能としている。このため、調査ポイントの数を大幅に減らすことで、トータルコストが低く抑えられることが特徴である。
 また、現場でのデータ取得が可能であるため、優先順位の高い測定データがそろった時点で全体の調査計画を随時変更することが可能であり、結果的に無駄を省くことができる。もちろん低感度法・中感度法にもそれぞれのメリットがあり、オルガノ/環境テクノでは現場の条件に応じて最適な土壌ガス調査手法を採用している。
 また分析機器を搭載した車両は、最近注目されている油類汚染調査にも活躍の場を広げている。
 地下水曝気装置の「アクアストリーム」は1983年に地下水中のVOCs除去装置として我が国で最初に納入された充填塔方式の曝気装置で、現在も全国で数多くが稼動中である。地下水が通過する塔の内部には充填材が入っており、曝気用空気と地下水とが効率良く接触することにより地下水中のVOCが除去される仕組みとなっている。
 「シャロートレイ」は充填塔タイプの曝気装置が抱えていた装置規模およびコストの問題を解決するために導入したトレイ式の曝気装置である。「シャロートレイ」は曝気トレイ上を水平に流れる汚染地下水に下方から導入された空気が曝気孔を通って接触することによって効率的な曝気が行われる。充填材を用いておらず、地下水を水平に流すことによって、充填塔方式に比べ装置サイズおよび重量が抑えられ、コストの低減も実現された。
 また、汚染地下水を曝気処理した場合、VOCsを含む空気が放出される。この空気中のVOCs対策として、オルガノ/環境テクノでは繊維活性炭式排ガス処理装置(同ファインエース)や触媒燃焼式排ガス処理装置(同キャタエース)も各種取り揃えている。

求められる時間の短縮化

 最近では、売却の意思決定から短期間で汚染調査や浄化作業を終えたいというニーズが高まっており、土壌触媒酸化処理や地下水原位置化学酸化処理による短期浄化技術が採用される件数が増えてきている。
 土壌触媒酸化処理は、金属触媒と酸化剤の反応によって生じる非常に強い酸化ラジカルで土壌中のVOCsを酸化分解する方法である。
 具体的には、触媒と酸化剤が反応して酸化力の非常に強いヒドロキシラジカル(OH)を発生させてVOCsを酸化分解し、最終的に二酸化炭素と塩化物イオンにする技術である。
 従来の土壌ガス吸引方式が汚染物質を分離・移動させて回収する技術なのに対し、触媒酸化法は現場での完全な分解処理技術である。酸化剤は残留性が無く食品添加物や消毒剤に使用されている安全なもので、金属触媒も自然環境中に存在するものを使用しており、環境負荷がかからない。実際には敷地内で汚染土壌を掘削し、その土壌を反応槽に入れて浄化する。敷地内に装置を持ち込んで浄化し、処理後の土壌はただちに埋め戻すことができる。浄化対象土壌が大量である場合は、連続処理が可能な大型の専用装置を用いる。その場合、1時間当たり最大100m3の汚染土壌を浄化できる。また、汚染深度が深い場合には、土壌を掘削することなく原位置で酸化反応させる技術も保有している。
 最大の特長である浄化速度は、1mg/lのトリクロロエチレン汚染土壌で比較した場合、従来の土壌ガス吸引方式や鉄粉等による還元法などの処理方式では、浄化期間(環境基準値である0.03mg/lをクリアするまでの期間)が42日以上であったのに対し、触媒酸化法ではわずか5日と、8分の1以下の期間で浄化できることを実証試験で確認している。触媒酸化処理を実際の浄化に適用した実績も増加し、オルガノ/環境テクノは本方式を更に改善しながら積極的に展開している(同社比較による)。
 また、VOCsによる地下水汚染に対しても従来技術より大幅に浄化期間を短縮する「原位置化学酸化システム」を事業展開している(図1)。これは酸化剤である過硫酸塩を汚染地下水に直接注入してVOCsを原位置で分解する浄化手法である。具体的には、酸化剤としての過硫酸、および過硫酸から生じる硫酸ラジカルを利用して、VOCsを酸化分解し、最終的に二酸化炭素と塩化物イオンにする技術である。また、注入した酸化剤は、安全性を確保するために揚水井から回収して再利用している。
 地下水を汲み上げて汚染対照物質を除去する従来の揚水曝気法では、浄化期間が数年~数十年にわたるケースが多々あるが、原位置化学酸化法では浄化期間を大幅に短縮することが可能である。また、嫌気性条件下で汚染物質を還元分解する際に懸念されている中間生成物質のジクロロエチレン類やビニルクロライドモノマー(VCM)の蓄積がないことが大きな特徴である。実際に、土地の売買が絡んだある浄化現場では、トリクロロエチレン濃度が最大20mg/lの汚染地下水を約3カ月という非常に短期間で浄化することに成功し、本浄化法の実績も急激に増加している。
 さらに、より低コストで浄化を進めたいというニーズに対応するためにバイオレメディエーション技術をラインアップした。独自の栄養剤を開発し、それを適切な管理下で汚染帯水層に注入することにより汚染現場に生息するVOCs分解菌を活性化してVOCsの生分解を促進するものである。本技術を用いて汚染浄化を成功させるためには、最先端の遺伝子検出法による分解微生物検出などの高度な分析技術が必要であり、この微生物検出技術を含めて自社開発を行い浄化技術の拡充を行っている。

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図1 地下水原位置化学酸化イメージ図

さまざまなニーズに対応する技術を蓄積

 そのほかにも重金属汚染対応技術である重金属類固定化技術なども技術レパートリーに加えさまざまなニーズに対応できる技術力を蓄積している。
 汚染した土地を抱える企業は、環境意識の高まりから積極的に汚染状況を公開する姿勢に転じている。その意味では、潜在需要が徐々に顕在化しているともいえる。調査、浄化ビジネスには国内200社以上が参入しているが、オルガノ/環境テクノは「短期間の調査と浄化」を武器に差別化を図り、積極的にビジネスチャンスを広げる姿勢を打ち出している。

■グリーン情報■

2社で分担し浄化市場をリード

 オルガノ/環境テクノは、従来技術よりもきわめて高効率・低コストのユニークな調査・浄化技術を保有し、豊富な実績のもとに浄化ビジネスをリードしている。オルガノは1996年、東ソーと折半出資で環境テクノを設立。オルガノが土壌・地下水浄化技術の開発を、環境テクノがその技術を活用した調査から浄化、モニタリングまでの一貫した実務を手がけるという分担で事業展開している。
 オルガノが本格的に浄化ビジネスを立ち上げたのが1993年。国内で初めて水道水源向けに曝気による地下水中の揮発性有機化合物(VOCs)除去装置を納入したのは1983年に遡る。

会社名
オルガノ株式会社/環境テクノ株式会社
代表者名
橋本 喜代志
所在地
〒136―8631 東京都江東区新砂1―2―8
電話
オルガノ03―5635―5100 環境テクノ03―3699―7250
FAX
オルガノ03―3699―7030 環境テクノ03―3699―7246 
資本金
82億2,549万円(連結)
URL
http://www.organo.co.jp/index.html